カードローンを使いきる友人

カードローンの利用額がめいいっぱいになった知人がいる。この知人、カードローンで借りたお金は飲食に費やしたらしい。随分と高い飲食をしていたものである。話を聞けば、カードローンを返すために不動産担保ローンもしていたらしい。これでは、いつかは破綻することになるであろう。助けようという気にもなれない知人である。
私もクレジットカードは何枚か持っています。以前は現金払いがほとんどでしたが、今ではクレジットカードで支払うようにしています。その方がポイントも付くし、現金を持ち歩かないで済むので、大変便利です。クレジットカードは、今は普通に使われていますが、ゴールドカードを持っている人を私は知りません。というよりもゴールドカードを持つような人と知り合いではないということですね。
 東日本大震災ならびにその後の福島第一原発事故により、PETボトル入りのミネラルウオーターの需要が急激に増加し、PETボトル用キャップの供給が不足し、ミネラルウオーター供給のボトルネックとなっていることを受け、社団法人全国清涼飲料工業会は、PETボトル用キャップの白無地キャップへの統一を決めた。

 これは簡単なことに見えるが、飲料メーカーにとってもキャップサプライヤにとっても難しい判断であっただろう。キャップの機能というと、「中身の飲料の品質を保つため」くらいに考えている消費者も多いかもしれない。しかし、飲料メーカーから見た時には、それのみならず、商品がどういったものかやブランドとして認知してもらうための情報伝達や販促の機能を持っている。

 「キャップは中身が傷まない、こぼれなければ良い」と考えている先の消費者であっても、実際には、キャップの色やデザイン、シンボルマークに自分が気付かぬうちに影響されて商品を買っていることもある。だから、飲料メーカーは、ボトル本体でなく、キャップにもこだわりを持って商品を企画している。色やシンボルマークを付けられない白無地キャップとなると、これまでのキャップの機能を落とすことになる。

 今回の共通化のきっかけは主要キャップメーカー3社より、自らの工場被災もあり、需要の急増に対応できないとの申し出があったことである。サプライヤからすると、白無地がペットボトルのキャップの標準規格となってしまえば差別化の余地が減らされ、価格競争しかなくなってしまう。だからこそ、飲料メーカーもサプライヤもさまざまなキャップのサイズやデザイン、色を考え、提案し、日本のペットボトルのキャップだけで200〜300種類とあるといわれるだけの数になっているのであり、今回のキャップ共通化の期間が被災キャップ工場が復旧し、供給が整うまでと予定されているのである。

 仕様の標準化、簡素化。調達・購買担当者としては、本来こうした動きは平常時にこちらから仕掛けなけれなければならないものだ。しかし、売り上げへの影響を恐れて誰もなかなか手をつけられない。今回の震災対応でその壁を1つ越えたわけだ。

●仕様を標準化した時のデータは得られた

 被災キャップ工場の復旧後、元の仕様に戻すのか、白無地のキャップを採用するかは各社の戦略に委ねられるが、少なくとも、仕様を標準化、簡素化すると売り上げにどのような影響が出るかというある程度のデータは得られているだろう。

 競合他社も白無地のキャップを採用しているので、実際の競争下のものではないが、仕様の標準化、簡素化の是非について検討する上で、やってみなければ分からないという感覚的なものを1つ超えた議論ができるようになっている。仕様の標準化、簡素化のコスト削減メリットは明らかだ。加えて、今回の震災を踏まえて、仕様の標準化、簡素化は事故や災害に負けない柔軟なサプライチェーン作りにも役立つことが明らかとなった。

 一方、いくら供給リスクが減るからといって、サプライヤやイノベーションへの影響を考えると、今回のような非常時の対応を除き、法制や規格でペットボトルのキャップの統一を図るべきものではない。規格であれば、まったく違う競争を持ち込むことで回避するという抜け道がないわけではないが、そうなれば、サプライヤ間に過度の競争を強いることになり、体力のあるところしか生き残れなくなってしまう。そうした市場ではサプライヤの寡占が進んでしまい、イノベーションは減り、中長期的にはコスト高となってしまう。

 いずれにせよ、中小企業では、今回の震災ならびにその後の生産の落ち込みに耐え切れずに廃業に至るところも出ており、その流れはこれからさらに増え、サプライヤの集約が進むものと見込まれる。

 ペットボトルのキャップの共通化、サプライチェーンが、被災工場の復旧後、どうなるかは買い手企業各社の動向もあり、まだ分からない。また、サプライチェーンの進む方向は商品ごとに異なるが、少なくとも、これまでの延長線ではいかないだろう。

 今、言えることは、そうしたサプライヤや競合他社の動きによる中長期的なサプライ市場の動向と、自社のサプライチェーン戦略の方向を見極め、適したサプライチェーンを築かなければらないことが各社の調達・購買部門に共通したこれからの課題ということだ。(中ノ森清訓)

【関連記事】
環境ビジネスは本当に成長分野なのか
重くして“エコカー認定”の欺瞞
ポイントは“本業”を通じた環境経営――ゴールドウインの自転車通勤制度